夢原夫婦のヒミツ
ふたりに相談してよかった。でなかったら、暴走して大和さんに迷惑をかけて、子供だと思われるところだった。

「それにしても毎日愛実から大和さんの話を聞かされているから、会ってもいないのに大和さんのこと、他人のように思えなくなってきているんだよね」

「それ、俺も。愛実の影響だよな」

呆れた様子で話すふたりに、ちょっぴり申し訳なくなる。

「ごめん。でもその……蘭と佐介にだから話しているわけで……」

誰彼構わず、大和さんの話を聞いてほしいわけではない。蘭と佐介だからこそだ。

私の言いたいことがちゃんと伝わったのか、ふたりは顔を見合わせ笑った。

「わかってるわよ、そんなことくらい」

「だからこそ俺たちも、しっかり愛実に言っているんだから」

ふたりとも……。

ジンと胸が熱くなる。

「大学は離れちゃうけど、またなにかあったらいつでも相談しなさいよ?」

「そうだぞ? 愛実は恋愛に関しては暴走しがちだからな」

「……はい、お願いします」

素直に頭を下げると、またふたりは声を上げて笑った。そしてつられるように私も。
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