mirage of story











「.........やっぱり全員が都合よく、生き残っちゃいないか」



グルリと見回し、姿の見えない何人かを確認し少しだけ瞳を陰らせた。

















「お待ちしておりましたぞ」




ザワザワ.....ザワッ。

三人が合流した人の群。
驚きや戸惑い、様々な感情が飛び交いざわめく中で響く嗄れた―――でも凛とした低い声。







「よう、じいさん。

遅くなってすまないね。
だが、ちゃんと嬢ちゃん達を連れてきてやったぜ?」



人の群の中から、一人の老人がジェイドとその後ろのシエラとライルの元へと進み出る。

それは恐らくこの集団の中で最も老いた人であり、人間を率いる反乱軍のその長―――ジスその人だった。









「よくやってくれたね、さすがと言ったところかな?」



「まぁね」




嗄れた声を少しだけ笑いに震わせてジスは答えた。
謙遜するわけでもなく、ジェイドは答えた。


ジスはハハッと笑い、それから視線をジェイドからその後ろの二つの影へと移す。








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