mirage of story
そして再び聞こえる剣の音。
(―――あと少しだ)
カイムは、声のする方に手を伸ばした。
村の中を走り抜け、カイムは視界の広がる場所―――声の主がいる場所へと出た。
「......!?」
カイムは、目に飛び込んできた光景。
その光景に一瞬、心臓が止まってしまう感じがした。
カイムの目に映ったもの。
それは、男がシエラに剣を振り下ろすところだった。
「......シエラァーッ!」
カイムは叫ぶ。
思い切り仲間の名を呼んだ。
そのカイムの声は、激しく燃える炎に
やけに大きく響いた。