mirage of story
〜3〜
"――――我の名を呼ぶのは、お前か?"
どこからか、声が聞こえた。
いや違う。
聞こえるというより、頭の中に響いてくるという表現があっているかもしれない。
声が全身に、ジンッと響いた。
(――――何だろう、この声は)
誰だ。
ライルは辺りを見回す。
だが、目の前に広がるのは何もない不思議な世界だけ。
自分以外、何もない。
"我を呼ぶ者。我を眠りから解き放った者。
――――お前は、我の契約者になる者か?"
謎の声は、ライルの問いに答えようとはせず逆にライルに問い掛ける。
「俺の名前は、ライルだよ。
あんたは一体、誰?」
相手に名乗らせる前に自ら名乗る。
それが礼儀というものか。
幼き彼が名乗る。
その声に暫くして、答える声がした。
"我が名は炎竜。
古より伝わる、炎を司る竜。人為らぬ存在ぞ"
――――。
答える声。
そして突然に今まで何もなかった目の前の世界に一つの小さな深紅の炎が灯る。
ボオォッ!
その炎が次第に強さを増してゆき、やがて小さかった炎が一匹の炎を帯びた竜の姿に変わっていた様子を目の当たりにして幼い彼は息を飲む。
ッ。
一枚一枚全身に散らばる炎が作り上げた鱗が、キラリと煌めきを放つ。
(炎竜.....)
.
"――――我の名を呼ぶのは、お前か?"
どこからか、声が聞こえた。
いや違う。
聞こえるというより、頭の中に響いてくるという表現があっているかもしれない。
声が全身に、ジンッと響いた。
(――――何だろう、この声は)
誰だ。
ライルは辺りを見回す。
だが、目の前に広がるのは何もない不思議な世界だけ。
自分以外、何もない。
"我を呼ぶ者。我を眠りから解き放った者。
――――お前は、我の契約者になる者か?"
謎の声は、ライルの問いに答えようとはせず逆にライルに問い掛ける。
「俺の名前は、ライルだよ。
あんたは一体、誰?」
相手に名乗らせる前に自ら名乗る。
それが礼儀というものか。
幼き彼が名乗る。
その声に暫くして、答える声がした。
"我が名は炎竜。
古より伝わる、炎を司る竜。人為らぬ存在ぞ"
――――。
答える声。
そして突然に今まで何もなかった目の前の世界に一つの小さな深紅の炎が灯る。
ボオォッ!
その炎が次第に強さを増してゆき、やがて小さかった炎が一匹の炎を帯びた竜の姿に変わっていた様子を目の当たりにして幼い彼は息を飲む。
ッ。
一枚一枚全身に散らばる炎が作り上げた鱗が、キラリと煌めきを放つ。
(炎竜.....)
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