mirage of story
 




 
 
 
 
「!
貴方は.........超能力者?」


「........」





呼ばれた名に彼女もハッとしたように答える。

ッ。
気が付いたのか、そうその人は期待したがシエラの言葉にまたポカンと彼女を見つめる。









「.....ははは。
シエラちゃん。私よ?
私のこと、覚えてないかしら?」



暫くの沈黙の後の少々枯れた笑い。

彼女の発言に思わずポカンとしてしまったその人だが、気を取り直したように彼女に問い掛ける。



覚えていないかしら?

..........。
その言葉にシエラの中で一年近く前の記憶が表側へと引っ張り出される。

そう。目の前に居るその人は、彼女の知る人。
記憶の中で一人の人物と重なる。








「!
もしかして、ネビアさん?」



「やっぱりシエラちゃんだったのね。
......久しぶりだわ、とっても。
元気だったかしら?」





ようやく二人の間で話が繋がる。

先程の出逢いからもう数分。
気が付くには遅すぎる再会だったけれど、二人は構わない。







「ネビアさん!」



その人は紛れも無い、この街の住人。
シエラが以前この地を訪れた時に出逢った、ネビアその人だった。









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