mirage of story
......いや、そうだろうか?
どうも、ただの夢というのは腑に落ちない。
........あまりにも、鮮明で
ただの夢の中の記憶にしては.....頭に強く残りすぎていた。
(───分からない。
何だったんだ....あの夢は)
頭の中に、夢に対する疑問が巡る。
..........ザァーッ。
唐突に風の騒めきを感じて、カイムの疑問が一瞬途切れる。
廃墟の中は、あの老人の力によって守られていて風は入ってこない。
だが、それでもカイムは風の気配を感じた。
不穏な雰囲気を醸す......何だか嫌な感じのする風の気配を。
「.........風か?」
何か不思議に思って、眠る前に月を眺めた隙間から
そっと外を覗く。
........月が見えない。
月灯りでほんのり明るいはずの空に、光がない。
(もう、夜が明けたのか?)
─────いや、違う。
夜が明けたにしては、空の色が暗すぎる。
........暗闇だ。
しかも普通の闇とは違う。何か....不快感を沸き起こすような
不気味な暗闇。