mirage of story
........どこかが....何かが、おかしかった。
(この空....何かある)
カイムは、直感でそう感じた。
外を確認しようと、カイムは部屋を飛び出す。
夜は危険だから、ここから出ないようにと言われていたが
気になって仕方がないカイムは、そっと他の人が気付かないように部屋の外へ出た。
周りを見れば、街の人達が寄り添い合って眠る姿。
どうやらカイムとシエラに与えてくれた部屋と、老人と話をした部屋が
この廃墟の中の全ての部屋らしかった。
(.......起こさないようにしないとな)
カイムは、忍ぶような足取りで廃墟の入り口へと向かう。
廃墟の中は、少しの蝋燭で灯りがあったが
入り口の向こう側は、何も見えないくらいの闇だった。
(..........何だろう。
凄い、嫌な感じがする)
カイムの胸の鼓動が、どこからともなく湧いていた嫌な予感で、少しだけ速くなっていた。
じんわりと沸き上がる不快感で、汗が落ちる。
徐々に速くなる鼓動を、静かに押さえながら
ようやくカイムは入り口のところまで辿り着いた。