mirage of story
 
 
 
 
 
 
 
そんな確信とも取れる直感がカイムにはあった。


嫌な汗と同時に、ロアルに対する憎しみが沸き上がる。






(.........あの黒い風が、俺の村を消したものと同じなら
俺の村を消したのは、ロアル。そうなる.....よな?)




村が消え去るその時は、黒い風の正体だとか.....何故、村を襲っているのか 
考えることは出来なかった。



あの時はただ哀しみに暮れることしか、出来なかったから。






だが、今の状況をカイムは考える。



ここは、ロアルの憎む人間の街。

この街が、魔族たちの襲撃を何度も受けているという老人の話。



そして
目の当たりにした、ロアルが去った後から逆巻き出した黒い風。






........この黒い風が、ロアルの仕業であるのは
確定的と言えた。



ロアルは魔族の王。
王たる者、強大な魔力を持っているはず。

恐らく、あの風はそんなロアルの魔力が引き起こしたものだろう。






(.......このまま、放っておくわけにはいかない。

何とかしなきゃ駄目だ)





絶対に、同じ目には遭わせない。


もう、自分は
何も出来ないまま何かを失うことに耐えれる心は持ち合わせていない。


ただ失うのは絶対に、嫌だ。








「.......奴らは、あなたたちが考えてる程甘くはないッ!

奴らは、何の容赦もない。早く.....早く逃げないと手遅れに────」






 
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