mirage of story
カイムは、背中を押す手を跳ね退けて、それぞれ寝床に戻る街の人達に向い叫ぶ。
........だが、その言葉は唐突に襲ってきた激しい揺れによって妨げられた。
「──────ッ!!?」
地が激しく上下して、廃墟がギシッと軋むような悲鳴を上げる。
それと共に、廃墟の中に人々の悲鳴も谺する。
「何が起こっているんだッ!?」
再び眠りに就こうとしていた街の人たちの顔から
安堵の表情が......消え失せた。
「─────ッ!?」
激しい揺れによろめく老人を、カイムは咄嗟に身体で受け止める。
そしてそのまま老人の身体を支えるような状態になると、カイムは老人を見た。
......受け止められた老人の顔は、蒼白していた。
「大丈夫ですか!?
逃げましょう........やっぱり此処は危険だッ!」
カイムの言葉と、今の状況に
街の人達は......ようやく事の重さを悟った。
安堵も、余裕もない。
ただそこに存在するのは、恐怖だった。