mirage of story
「──────どうやら、あなたの言うことは正しいようです。
力が....聖術が破られるのを感じます」
蒼白した顔で、老人は言う。
「.....旅のお方、あなたの言う通りに致します。
........皆、直ちにこの街から避難するのだ!
若い者たちは老人や子供を連れて行き、武器を持てる者たちの後に続いて避難せよ!
さぁ、行け」
老人はカイムに支えられていた身体を自ら起こし
そして決意したように、叫んだ。
その声に、街の人達は一斉に動き出す。
武器を持った者たちが、入り口へと駆け出した。
「待ってください。
─────俺が、先頭を行きます......」
老人の言葉に、慌ただしくなった辺りがカイムの言葉に一旦静まった
皆がカイムへ注目する。
「.......そんな、旅のお方に危ない役目を負わせるわけには参りません。
外に魔族たちが居れば、あなたが危険になりますぞッ!」
老人は、驚いたような声を上げる。
「大丈夫です。
──────俺は多少、剣の腕には自信があります。
奴らと出くわしたら、俺が時間を稼ぎます」
「........ですが!」
「─────時間がありません。
俺が行きます。
まず武器を持った人が外の様子を伺います。
残りの人達は、俺が合図をしたらついてきて下さいッ!」