mirage of story
カイムは念のため、ぐるりと周りをもう一度見回して怪しい人影がないことを確認した。
「─────時間がありません。
残りの街の人達に、合図を。そしたらあっちの方へ走って下さい!」
カイムは、逆巻く風の渦とは逆の方向を指差した。
「─────俺は、取り残された人が居ないか確認してから行きます」
「はい。分かりました!」
外をもう一度覗き込み、カイムの指差す方向を確認して
廃墟の入り口へ走り.....中の人達に合図を送った。
──────ザッ。
中の人々は、その合図を待っていたかのように
合図と同時に、次々と人が出てくる。
そしてその人達を、安全な方向へ導く街の若者たち。
......街が、一つとなっているような気がした。
また一人、また一人と人々が走り出てくる。
子供もお年寄りも皆、外へと連れ出されていく。
そんな状況を見つめるカイム。
流れる人の波を眺めながら、その人の群れの中にある.........一つの人影を、探していた。
(どこだ.....?)
カイムの深紅の瞳が捜すの人影は、なかなか姿を現さない。