mirage of story
「.....捜しに行かねばなりませんな。
このままでは、逃げ遅れてしまいま....」
老人の言葉は、突如響き渡った凄まじい轟音とさっき以上の激しい揺れに途切れた。
地が上下に揺れる。
廃墟の壁から、ボロボロと細かい欠片が落ちる。
「────ッ!」
カイムと老人は、立って入れなくなり地面へとしがみ付いた。
轟音と激しい揺れが、地を揺さ振る。
その揺れに堪えるように、必死に地を掴む。
激しい揺れと響き渡る轟音の中、カイムは後ろにあるはずの黒い死の風に目を向けた。
「────ッ!」
言葉が出なかった。
あの逆巻く黒い風が
手を伸ばせば届いてしまうくらいの位置まで迫っていた。
その中で渦巻く闇も、より一層濃さを増している。
そして、轟音を立てる先にあるのは
自分たちが居る廃墟が......風の脅威に蝕まれる姿だった。
.....ゴゴゴ....ゴゴオォ────ッ。
廃墟は、風に蝕まれる中
軋みながらも耐えている。
必死に抵抗するように、地にしがみ付くように佇んでいた。
だが、その抵抗も虚しく壁に亀裂が入る。