mirage of story
そこまで言うと、シエラの表情が陰る。
「他の人に助けを求めたんですけど、みんな逃げるのに必死で
あっという間に.......私たちだけになっちゃいました」
シエラは、壁の下敷きになり怪我を負うネビアを前に自分は、何も出来なくて
.........助けることが出来なくて
ネビアに対して罪悪感を
自分に対して、猛烈な嫌悪感を感じていた。
助けようとはした。
壁を退けようと、渾身の力を込めた。
だが、シエラ一人の力ではびくともしなかった。
まだ年端もいかない少女の力では、どうにも出来なかった。
「─────シエラちゃん」
そんなシエラの姿に、何かシエラの心を察したのか
ネビアは口を開く。
「─────シエラちゃん。私のことはもういいから
早く逃げなさい。
何があったか知らないけど、みんなが避難したってことは、もう此処は安全ではないはずよ。
このまま此処に居れば、シエラちゃんが危険だわ」
「─────ッ!
に.....逃げるなんて、そんなこと!
ネビアさんを置いてなんかいけない!」