mirage of story
とはいえ、やはり良い気はしないものでライルは顔をしかめる。
.......。
あぁ、こんなことを何時までも考えていても仕方が無い。
彼は嫌な気分を切り替えようと、ふと窓の外を覗いた。
(.........)
窓の外に広がる景色は、月明かりに照らされた城の庭。
昼間は太陽の光を浴び燦々と咲き乱れる花達は、今はただ静かに月明かりに照らされて揺れるだけ。
「........懐かしいな」
窓の外を眺める。
彼の瞳に映し出される幻想的な夜の光景に、不意に沸き上がるのは感嘆ではなく懐かしさ。
思わず言葉が零れる。
(昔、よくあの庭でルシアスと遊んだな)
ッ。懐かしさに思い出に浸るように目を閉じる。
瞼の裏に映し出されるのは、まだ幼い自分とルシアスの姿。
花を摘んだり走り回ったり、何の変哲もない子供が遊ぶ無邪気な姿。
(あの場所でルシアスと沢山の話をした。
ルシアスのこと俺のこと、語りきれないほど沢山の話をしたな)
蘇ってくる記憶。
瞼の裏に映し出される映像が鮮明になっていく。
―――――。
そしてそれは闇夜に揺らめく中庭の光景に漂い重ね合わせるかのように、彼の意識の中で過去を映し出した。
.