mirage of story
〜1〜






「─────第一班!


俺達は今から街へと潜入する。

第二班は、ここで待機だ。
合図が出るまで、勝手な行動は慎めッ!」





威勢のいい、若い男の声が響く。

大地に浮かぶ太陽の光の中に。









「─────はい、隊長!」




指示を出すまだ若い少年の前に並ぶ男達が、少年に向かい敬礼をする。








「──────では.....任務開始だ」




少年は、自分に敬礼を送る部下である者たちを一瞥すると目を閉じた。







「失敗は許されない。

──────ルシアス姫の仇だ。
心して、任務を果たせ!」





少年の閉じられた瞳が、次に開かれた時。

その瞳の中に宿るのは......憎しみに満ちた哀しき闇の光だった。












「行くぞ」





少年はそう言うと、踵を翻して向かう。

──────波乱を予知する、復讐の光溢れる.....街へ。






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