mirage of story
「.......いやぁ!それにしても本当に同じ反応!
いやいや愛し合う若い二人っていうのは、こんなことまで分かり合えちゃうものなのね。うんうん」
「は、はい?」
わざとらしく真面目腐ったように付け足す。
......。ッ。
初めは言葉の意味がよく分からなかった。
けれど数秒経ってその言葉に帯びる彼のからかいに気が付き顔を真っ赤にする。
「な、な、な、な.......」
「ハハッ!
すまないすまない、ちょっとからかっただけさ?
でもそんなに顔真っ赤になるとは、実は案外本当に?」
「ち、違いますっ!
私とカイムは仲間です、ジェイドさんが思うようなそんな関係では―――」
彼女は、明らかにあたふたした。
あたふたと意味もなく大きくなる身振りが部屋の空気を切る。
伴って巻き起こる些細な風が彼女自身と向き合う彼の髪をサラリと揺らした。
.......。
どうして自分がこんなにも動揺して否定しようとしているのか。
あたふたする最中、彼女は今の自分の言動に頭を傾げる。
別にカイムと―――彼と自分がそういう風に思われることは、嫌ではないのに。
......。
そう考えるシエラはハッとそんな自分の本心に気が付いてしまい、顔がまた勝手に紅潮した。
「ただの仲間ねぇ?
.....んじゃ、今からその仲間との話を聞かせてもらおうかな?
若い男女の旅の馴れ初め道のり、実に興味があるねぇ!ははっ!」
彼女の動揺の意味を色々な方面で経験豊富なジェイドにはしっかりと判ってしまったけれど、その初々しさは大切だと彼の勝手な判断により敢えて触れないことにした。
余計なお節介。
そうとも言えるが、一応これが彼なりの心遣いなのである。
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