mirage of story
「.....は、はい」
そんなジェイドの心遣いなど露知らず、自分の中で気が付いてしまったカイムへの感情を彼女は必死に隠そうとして平然を装い一回大きく頷いた。
だが彼女の顔の紅潮は、まだしっかりと残っていた。
――――。
窓から差し込む光。
その光がそんな二人照らして、部屋の中は暖かな雰囲気に包まれる。
魔族と人間。
穏やかな光に包まれる二人の間には、あるはずの深い溝も高い壁もいつの間にか見えなくなっていた。
普通では交わることのないはず二者。
それがこの部屋の中で、ごく普通ごく当たり前のように二人並んでいた。
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