mirage of story
〜2〜
指輪を見つけたのは、何も知らぬただの人だった。
手のひらで輝く小さな指輪。
その光に宿る神秘的な美しさに、その人は心奪われた。
――――ッ。
そしてその人は無意識に、無造作に指輪の自分の指へとはめた。
........カッ―――。
その瞬間。
緑の大地は、なくなった。
何もない、土埃舞い上がる不毛の大地に成り果てた。
「.....」
人は驚いた。
一瞬で消え去った緑の大地に、戸惑い恐れを覚えた。
だが、それと同時に感じた。
身体の奥から溢れだす力と、一瞬で全てを消し去れる程の力から来る優越感。爽快感。
その感覚は、恐れを遥かに越えてその人を支配した。
「ハハ....ハハハハ.....」
どうしようもなく嬉しくて、そして快感でその人は笑った。
両手を広げ、高らかに笑った。
それからその人は、自らのことを.....神だと名乗った。
気に入らない者は、片っ端から殺していった。
欲しいものが、全てを奪った。
街も人も、全てその人のものとなった。
指輪を見つけたその人は、全てをその力でねじ伏せて、欲しいものを手に入れ尽くした。
人は皆その人を恐れ、そして次第に王と崇めていった。
世界の全て。人の全てを手にしたその人は、自らに殉ずる人々を"魔族"とし
そしてその人々を元に国を作り上げた。
指輪を見つけたのは、何も知らぬただの人だった。
手のひらで輝く小さな指輪。
その光に宿る神秘的な美しさに、その人は心奪われた。
――――ッ。
そしてその人は無意識に、無造作に指輪の自分の指へとはめた。
........カッ―――。
その瞬間。
緑の大地は、なくなった。
何もない、土埃舞い上がる不毛の大地に成り果てた。
「.....」
人は驚いた。
一瞬で消え去った緑の大地に、戸惑い恐れを覚えた。
だが、それと同時に感じた。
身体の奥から溢れだす力と、一瞬で全てを消し去れる程の力から来る優越感。爽快感。
その感覚は、恐れを遥かに越えてその人を支配した。
「ハハ....ハハハハ.....」
どうしようもなく嬉しくて、そして快感でその人は笑った。
両手を広げ、高らかに笑った。
それからその人は、自らのことを.....神だと名乗った。
気に入らない者は、片っ端から殺していった。
欲しいものが、全てを奪った。
街も人も、全てその人のものとなった。
指輪を見つけたその人は、全てをその力でねじ伏せて、欲しいものを手に入れ尽くした。
人は皆その人を恐れ、そして次第に王と崇めていった。
世界の全て。人の全てを手にしたその人は、自らに殉ずる人々を"魔族"とし
そしてその人々を元に国を作り上げた。