mirage of story
〜5〜
「親子だろうと関係ない。
たとえ誰であろうと、俺達の前に立ちはだかってシエラを傷付けるというのなら、敵以外の何者でもない。
それに、親子の縁ならとっくに切れてる。
ただ俺はあの人に会って.......何故俺と母さんを捨てて出ていったのか、その理由が父さんの口から聞きたいだけだから」
自分の父が敵として自分達の前に現れても、躊躇わずに討って欲しい。
言っておきたいことがあると、そう切り出したカイムに正直シエラは驚いた。
そんな言葉に勿論シエラは反論をしようとしたが、カイムはそんなシエラの驚きに追討ちを掛けるようにそう言葉を続けた。
衝撃だった。
あの優しいカイムから、人のことを常に思えるカイムからこんな言葉が出るなんて。
カイムがずっと一緒に旅をする中で、自分には黙って行方不明の父のことを捜し続けていることをシエラは知っていた。
父に会って、自分と母の前から姿を消したその理由を聞くのだと。
そうカイムは、シエラと出会った頃から言っていたから。
自分を捨てた父を、カイムは恨んでいるのか。
シエラにはよく分からなかったし、カイムに聞くにも気が引けて聞くこともしなかった。
だけどシエラの心の何処かにはカイムが父親を捜す理由は、一番に父と再会を果たしたいという強い思いがあると思っていた。
本当の親子なのだから。
"家族"というものに対して人一倍の思い入れと憧れのあるシエラには、そんな考えがある。
だから。
だから、カイムの"親子の縁ならとっくに切れてる"その言葉に凄い衝撃を受けた。
「親子だろうと関係ない。
たとえ誰であろうと、俺達の前に立ちはだかってシエラを傷付けるというのなら、敵以外の何者でもない。
それに、親子の縁ならとっくに切れてる。
ただ俺はあの人に会って.......何故俺と母さんを捨てて出ていったのか、その理由が父さんの口から聞きたいだけだから」
自分の父が敵として自分達の前に現れても、躊躇わずに討って欲しい。
言っておきたいことがあると、そう切り出したカイムに正直シエラは驚いた。
そんな言葉に勿論シエラは反論をしようとしたが、カイムはそんなシエラの驚きに追討ちを掛けるようにそう言葉を続けた。
衝撃だった。
あの優しいカイムから、人のことを常に思えるカイムからこんな言葉が出るなんて。
カイムがずっと一緒に旅をする中で、自分には黙って行方不明の父のことを捜し続けていることをシエラは知っていた。
父に会って、自分と母の前から姿を消したその理由を聞くのだと。
そうカイムは、シエラと出会った頃から言っていたから。
自分を捨てた父を、カイムは恨んでいるのか。
シエラにはよく分からなかったし、カイムに聞くにも気が引けて聞くこともしなかった。
だけどシエラの心の何処かにはカイムが父親を捜す理由は、一番に父と再会を果たしたいという強い思いがあると思っていた。
本当の親子なのだから。
"家族"というものに対して人一倍の思い入れと憧れのあるシエラには、そんな考えがある。
だから。
だから、カイムの"親子の縁ならとっくに切れてる"その言葉に凄い衝撃を受けた。