mirage of story
「.......と、じゃあ俺は外の方を片付けてきますかねぇ。
嬢ちゃん達、準備が出来たらテント畳んどいてくれよ?
あんたも手伝い頼んだぜ?」
「.......あぁ」
そう言い背を向けヒラリと手を振るジェイドに、極力短い返事をロキが返した。
その横では、そそくさとカイムとシエラが身の回りの物を鞄に詰めたり、布団を畳んだりと忙しなく動く。
その気配を背後に感じ、ジェイドはそのまま外へと出ていった。
ロキはただその姿を目で追いもせず、カイムとシエラが動いて微かに起こる風を傍に感じながら、何処でもない一点を鋭く見つめたままで居た。