mirage of story
〜4〜









ピチャンッ。

澄んだ水の音がして、木々達がやってきた訪問者を噂するようにざわめく。




外に広がる枯れた大地と空気とは真逆な程に、しっとりとした大地に水気を含んだ空気。

外の世界とは別世界。
目には見えない神秘のベールが空間を隔てているように、一歩踏み入れれば誰もが感じる空間の差。















｢..........何か、神聖な感じのする所ですね｣



外とはまるで別空間なこの場所、緑溢れ清らかな水を湛える森。

そこに踏み入れた大小があり歪な四つの人影は、入り口から数歩踏み入れた所でその雰囲気に圧倒されたように立ち止まる。





四つの人影のうちの一つであるカイムは、感心したようにグルリと周りを見回して、それから息を飲み呟く。
その呟きはカイムだけのものではなくて、初めてこの地に踏み入れたシエラとジェイドも同じ意の籠もった溜め息をついた。












｢この場所は古から変わらぬ神聖な地。かつてこの世界の支配者であった竜達がこの場所を住処としていたという説もある。

故に、この地は幾年の時を経ても変わらずに清らかで在り続けているのです｣




三人が雰囲気に飲まれ呆然と辺りを見回していると、一人だけ相変わらず無感情な表情のロキが淡々とした口調で説明をしてくれた。








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