mirage of story











身体は動かすことは叶わない。

だがシエラはその蒼を追うように、目だけを動かして彼女の水色の瞳にその蒼を重ねる。







見たことがある。
いつかは定かではないが、記憶の何処かに。

この美しい蒼い色を、自分は知っている。






随分昔から。
もしくは、ずっと知っている。

常に自分と共にあり、そうであるのに常に見えない所にある。
自分の裏側に隠れている。












この蒼。
そして、この存在。

見たい。
そして、見なければならない。



シエラの視線はゆっくりと上へと動く。









見える細やかな、蒼く輝く鱗。
その一つ一つが美しく繊細な蒼を纏って、その身を覆う。


そしてその先に見えるのは、宝石の如く煌めく強い瞳。
そしてパックリと割れた隙間から覗く、鋭い牙。






















"..............時は来た"



そして聞いたことのある懐かしさのある声に、シエラの視線にその蒼の姿の全てが映る。

猛々しくも穏やか。
神々しい存在でありながらも、何よりも身近な存在。








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