mirage of story
「まだ俺に、何かを受け入れることを求めるんですね......。
本当に、いきなりすぎます。
色々と本当に」
さっきので、もう充分すぎると思っていたのに。
それがまだ事のほんの表面だというのだから、呆れや不安を通り越して何だかもう笑えてしまう。
あまりに強い衝撃だとさすがにこの身は保たないが、ある程度のことならもうこの際全て来てしまえと思った。
父さんのことで多少のことには動じない免疫がついてしまったらしく、自分でも驚くくらいに心が潔く水竜に答えた。
"無理は承知している。
いきなりすぎるのも、押し付けがましいのも分かっている。
だが時が迫っているのだ。運命の時が。
どうか、分かってほしい"
「........大丈夫です」
"――――。
では、見るといい"
そう言う水竜に、俺は再び意識を目の前に戻す。
それからはその光景に集中するように、俺はこれから繰り広げられるはずである出来事に完全に意識を投下した。
.........。
そしてそんな俺を前にして、目の前に広がる光景がゆっくりと俺に真実を語り始めた。
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