mirage of story












このままでは.....負ける。
そんな考えが色濃く頭の中に線を描きながら過ぎる。










「...........」



でもそれを決して顔に出してはいけない。
指揮するものが不安を示せばその不安は戦場を迸り、全ての味方に伝染する。

そうなれば、余計に窮地に追い込まれるのは明らかだ。













(......きっとあの人にもあの人なりの策があるんだ。

堪え忍べ。
此処で気が緩めば全てが終わってしまう。

もしもそんなことになったら―――ルシアスに顔向けが出来ない。
アイツの無念が報われない。仇を討てない、復讐が果たせない)






これは人間との戦争だ。


正確には人間の国の軍というわけではなく、新たに組織された介入者と名乗る者達の軍だが。
介入者。反乱軍と言われるその組織には多くの人間達の弱国も参加をしているようだというのが、調べで分かった。

魔族も結構な数が居るようだが、あちら側に付いた以上は敵であるからもう見境はない。





相手は自分達魔族に対立するもの。敵。

つまり、だ。
ライルにとっての最大に憎しみを持つ敵―――シエラも必ずこの戦に現れる。


彼女も魔族に恨みを持っているのだ。憎んでいるのだ。
彼女にとってもこの戦が、その憎しみを晴らす絶好の機というのは言うまでもない。
























(この機は逃さない。
..........今度こそ俺が、必ずこの手で討つ)



直接対決。
誰かの手によってではなく、この手で決着を。

その時がもう間近まで迫っているということ、相手の姿は見えねどもライルは感じた。








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