あおいぽりばけつ
一人砂浜に崩れ落ち、海を見渡す。
深い青はただ私を見つめるだけで、慰めてはくれない。一人さめざめと泣いてみたって頬を掠めるのは冷たい潮風だけ。それでもその青は、私を拒みはしない。
心に強く決めたのに、優しくされれば絆されてしまいそうで。陸から離れて、しっかりと歩いてきたつもりだった。だけど結局私は自分では何も決められないのか。ここに来て、自分の全てが分からなくて今までの全てを信じられなくなっていた。
潮が満ちていく。やっぱり、いっその事海にのまれてしまいたいと思ってしまう。
今、海に歩いても誰も居ないのだから止めはしないだろう。海はきっと、私を包み込んで受け入れてくれるに違いない。
穏やかな波の音に耳を傾け、散らかした心をひとつひとつ整理してみる。
私は陸をまだ想っているし、出来れば陸と幸せな日々を送ってみたい。だけどそれは現実に、厳しい事は痛い程に分かる。また出逢えたとて、私は傷付き泣き明かす日々だろう。
高柳さんは私を好いてくれていて、いつまでもきっと待ってくれるだろう、私の気持ちが晴れるまで。その気持ちに甘えていつかお互いに想い合う事は、可能性としては有り得るのだろう。
薄暗かった辺りは気が付けばどっぷりと暗くなっていた。高柳さんが残した上着を撫でて海を見れば月が反射している。上を見上げてまた涙が一筋流れた。
今夜は三日月。鋭く尖った猫の爪。
陸の目にそっくりな、三日月。
「やっぱり陸が良いよ」
砂がまとわりつくズボンを撫でて呟いた。陸を想って流した涙を高柳さんの上着に染み込ませてはいけない。砂浜に涙を落として私はゆっくりと立ち上がった。
高柳さんが残した足跡を踏み締めて、一歩、一歩。
深い青はただ私を見つめるだけで、慰めてはくれない。一人さめざめと泣いてみたって頬を掠めるのは冷たい潮風だけ。それでもその青は、私を拒みはしない。
心に強く決めたのに、優しくされれば絆されてしまいそうで。陸から離れて、しっかりと歩いてきたつもりだった。だけど結局私は自分では何も決められないのか。ここに来て、自分の全てが分からなくて今までの全てを信じられなくなっていた。
潮が満ちていく。やっぱり、いっその事海にのまれてしまいたいと思ってしまう。
今、海に歩いても誰も居ないのだから止めはしないだろう。海はきっと、私を包み込んで受け入れてくれるに違いない。
穏やかな波の音に耳を傾け、散らかした心をひとつひとつ整理してみる。
私は陸をまだ想っているし、出来れば陸と幸せな日々を送ってみたい。だけどそれは現実に、厳しい事は痛い程に分かる。また出逢えたとて、私は傷付き泣き明かす日々だろう。
高柳さんは私を好いてくれていて、いつまでもきっと待ってくれるだろう、私の気持ちが晴れるまで。その気持ちに甘えていつかお互いに想い合う事は、可能性としては有り得るのだろう。
薄暗かった辺りは気が付けばどっぷりと暗くなっていた。高柳さんが残した上着を撫でて海を見れば月が反射している。上を見上げてまた涙が一筋流れた。
今夜は三日月。鋭く尖った猫の爪。
陸の目にそっくりな、三日月。
「やっぱり陸が良いよ」
砂がまとわりつくズボンを撫でて呟いた。陸を想って流した涙を高柳さんの上着に染み込ませてはいけない。砂浜に涙を落として私はゆっくりと立ち上がった。
高柳さんが残した足跡を踏み締めて、一歩、一歩。