社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
今年二十一歳になる梨香は私の四つ年下で、この春に短大を卒業し隣町にある小さな会社の事務員になった。電車だと遠回りになるからと毎日三十分かけて自転車で通っている。
「電車通勤てめちゃくちゃしんどい。世の中のサラリーマンてすごいよほんと……」
スティリスで働き始めてまだ一ヶ月と少しなのに、すでに通勤でへこたれそうだ。
仕事を終えて会社を出る時点では「おつかれさまでした」と明るく言えるだけの元気が残っているけれど、電車に揺られている間に少しずつ力を吸い取られて家に帰る頃にはいつも屍。電車通勤がこんなに大変なものだなんて思っていなかった。
「ていうか、二時間半てもはや旅行じゃん。往復で五時間だよ。一日のうち五分の一を通勤に費やしてるってやばくない」