君が夢から覚めるまで
「今日はさ…カテキョじゃないから、先生って呼ばなくて良い?」
「うん、いいよ。今日は…お友達ってことで」
「お友達…ね。じゃ、香帆ちゃん…って呼んでいい?」
うん、と言うと、香帆を繋いでる手に少しギュッと力が入った様な気がした。
二人で花火を見上げる。
ドーンと言う爆発音が胸に響き、何だかドキドキした。
香帆は思わず怜の手をキュッと握った。
するとそれに気付いたのだろう、怜は手を緩め、指と指を絡ませ恋人繋ぎをして来た。
ーーー彼女…来てるんじゃないの?こんなとこ見られて大丈夫なの…?
怜の大きくて暖かい手は香帆を不安にさせた。
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