いちごキャンディ×ブラックチョコレート
1階に着き、エレベーターを降りた私達は特に何か話すわけでも一緒に帰る訳でもないのに隣に並んで歩いた。

歩くスピードは早くない。

汐理さんはきっと私に歩幅を合わせているんだと思う。

でも会話はない。

こんな風になるために、あの日あんなことをしたわけじゃないのに。

どうしようどうしようと頭の中でぐるぐる考えていると、隣にいた汐理さんがふと止まる。

それに気づいた私も汐理さんの数歩先で止まった。
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