いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「そんな事ありません!私が悪いんです」

「ううん。俺が無理やり抱いたんだから俺が悪い」

「私の勝手な理由で汐理さんを巻き込んだんです。だから汐理さんは悪くないんです」

「だけど弱ってるところをつけこんだ」

「私の意志です。それにぎこちない態度をとっている私が良くないんです」


どうしたら汐理さんは分かってくれる?

汐理さんは悪くない、私が悪いんだってどうしたら。


「し、汐理さんは気にしないでください!私のわがままに付き合って貰っただけです。気にしないでくだ」

「無理だよ」

「汐理さ……」

「気にしないなんて俺には無理だ」

「でも……」


どうしよう。

気にさせてしまっている。

汐理さんは悪くないのに。

私が全面的に悪いのに。


「お待たせ致しました〜。ほうれん草のバター炒め……ってどうしたの、この空気」


前に汐理さんと来た時もいた男の店員さんが、注文の品を持ってきた。

名前は確か園崎さん。
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