いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「気にしないでください」


汐理さんは注文の品を取りながら素っ気ない感じでそういった。

園崎さんはチラリと私を見ると、何かを思い出したかのように手を叩く。


「君、前にも来た子だよね?」

「はい」

「あ〜。お兄さん読めてきたよ」

「??」


園崎さんは顎に手を添え、難解な謎を解いた名探偵のようなドヤ顔で私たちを見る。


「約2週間前に汐理が俺に相談し」

「園崎さんっ!それは」

「なんだよ。合ってるだろ?やらかしたとか言って半べそかいてたじゃねぇか」

「そんなこと今ここで言わなくていいんです!」


汐理さんはかなり慌てていた。

そのあまりの慌てっぷりに私は不安が募っていった。

きっと私たちのことだとを園崎さんに話したんだ。

迷惑だったとか好きな人いるのにどうしようとかそういうことを相談したんだよね?

きっと。
< 142 / 194 >

この作品をシェア

pagetop