いちごキャンディ×ブラックチョコレート
ふと、第三者の声がする。

今、慎さんって言ったから汐理さんの知り合いなんだろうけど、どこかで聞いたことある声。

誰なのかはすぐに分かった。

ひょこっと隣の席から顔を出すのは仁科琳子さんだったから。


「仁科……」

「ごめんなさい。話を聞くつもりはなかったんですけど、隣の席に2人が入ってきたもので……」

「ったく、盗み聞きするな。あっち行け」

「はいはい。でもその前にひとつ」


仁科さんは1度私を見たあとにまた汐理さんへと視線を戻す。


「互いに思ってる事をちゃんと言った方がいいですよ。第三者の立場から聞くとわかりますが、誤解が生じてる気がします」


それじゃあ、そういって仁科さんは席を移動していった。

仁科さんが居なくなって再び沈黙が生まれる。

そうだよって肯定されるかもしれないし、違うよって否定されるかもしれない。

その答えは彼に聞くまでは分からない。

だから汐理さんの口からちゃんと真相を聞こう。
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