いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「順番間違えたと思って……」

「間違え、た?」

「やっぱり、ああいうことはちゃんと恋人同士になってからするものだと思うし、依知子の気持ちを踏みいじった」

「私はいいんです。でも汐理さんには好きな人が」

「そ、それについて……なんだけど」


少しずつ話し声が小さくなっていく様子から、彼の中で好きな人のことがやはり気にかかっているようだった。


「だ、大丈夫って言うか」

「全然大丈夫そうには見えないのですが」

「気にする必要ないというか」

「気になります。本当は気になっていることがあるのでしょう?お願いします。話してください」


もし私が原因で上手くいかなかったら、それはすごく嫌だ。

だから有耶無耶にしたくなかった。

私ができることがあるならどうにかしたいって思った。
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