いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「それに私は槇さんの好きな人ではないので、男友達とか思えばいいんですよ」

「いや、思えねぇって!」

「であれば、兄弟か何か……」

「女として見てるから……」


語尾の言葉が暗闇の中に消えてゆく。

しばらくの間、2人の間に沈黙が流れた。

暗闇の中でもおそらく目は合っているんだと思う。

視線を感じるし、私自身もじっと視線を送っている。

どうしよう。

変な雰囲気にさせちゃった。

周りから見ると今の状況は、槇さんが私を押し倒しているように見えるはず。

いや、実際に先程形勢逆転したので、そうだけども。

今更気づいても遅い。


「……自信ない」

「え?」


槇さんは話を続ける。


「一緒にベットに入ったら触れない自信がない」

「あ、その……」

「だからベット使って」


私を抑えていた力を弱め、ベットから離れていこうとする。

離れていくのが嫌だったのか分からないけど、本当に無意識に槇さんの腕を掴んでいた。
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