いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「……何?」

「えっと」

「さっきも言ったけど入ったら」

「だ、大丈夫!です!!」

「は?」

「ふ、触れる……のくらい、であれば。その、大丈夫です……」


自分でも何を言ってるんだって思う。

でも何故かそう言いたくなった。


「本気か?」


乾いた空気が喉から出る。

上手く言葉が出てこない。

だから私は暗闇の中、ゆっくりと頷いた。

その直後、槇さんが息をのむ音が聞こえた。

このあとどう動こうか迷っているんだと思う。

どう動くのか様子を伺っていると、ゆっくりと私の隣に座った。

その直後。


「……っ!」


息が詰まるほど力強く抱きしめられた。
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