いちごキャンディ×ブラックチョコレート
それに、こうやって男の人の家に行くのも初めてだし、抱き合うのも初めて。

今日は初めてばかりで、正直頭の整理が追いついていない。

私がキスの経験はないと答えると、槇さんの手が伸びてきて、細長い指がそっと私の唇をなぞる。


「……ん」


声が漏れる。

自分でも思ってた以上に色っぽい声に、少し驚く。


「もし、ここで俺がキスをしたらファーストキスって事だよね?」

「はい」

「ファーストキス……俺に頂戴」


真っ直ぐな瞳の奥に、誘惑の色気が見え隠れする。

普通なら普段なら絶対に頷かない。

だけどこの時は彼の言葉に自然と頷いていた。

「……はい」と。
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