いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「依知子……って呼んでもいい?」

「え」

「あ、勿論こうやって2人きりの時だけ……なんだけど」


寝る前もたくさん私の名前を呼んでくれた。

名前を呼ばれるたびに好きだと言われているようで、心臓が飛び跳ねたのを覚えている。


「はい」


だから私は迷わず許可を出す。


「ありがとう」


槇さんは本当にうれしそうだった。

ただ私の名前を呼ぶだけなのにすごくうれしそう。

そんな表情を見ていたら、私もうれしくなった。

槇さんにとっての特別を1つ与えられた気がして、自然と笑みがこぼれた。
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