いちごキャンディ×ブラックチョコレート
私も下の名前で呼んだら、喜んでくれるだろうか。

でも彼は下の名前で呼ばれることに抵抗がありそうだったので、少しためらう。

これで嫌な顔されたらどう受け止めていいのか分からない。

でも自分がされてうれしいことはやっぱり相手にしてあげたいと思う。

だから私は。


「しーー……し、汐理さん」


彼の様子を伺うようにそっと名前を呼んだ。


「……って呼びたいんですけど、だめですか?」


チラリと表情を伺えば槇さんの顔は固まっているようで、すぐに後悔した。
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