お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
◇◇◇
その日の午後七時。夕食の時間を見計らって、千花は修矢の寝る部屋のドアをそっと開けた。今夜は満月なのか、カーテンの隙間から差し込む月の光のおかげでぼんやり明るい。
そろりそろりと足を進めてベッドサイドの明かりを点けると、修矢は眩しそうに目を開けた。
「ごめんなさい、起こしちゃいましたね」
熱は下がっただろうかと修矢の額に手を伸ばすと、先ほどではないにしろまだ熱い。修矢の目も少しトロンとしていた。
「食欲なんてないですよね?」
スープくらいならなんとか食べられないかと、一応ポトフを作ってみたが。
「千花が作ったのなら食べる」
「そうですか? それじゃ今持ってきます」
同居するようになってから、家事代行による食事サービスはストップ。冷蔵庫に作り置きしてあった料理は、捨てるという修矢に代わって千花が幸助に持ち帰った。幸助は豪華なメニューを喜んで食べてくれ、無駄にすることなく処分が完了。