お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

修矢から受け取ったトレーをいったんベッドサイドに置き、千花はエプロンのポケットから冷却シートを取り出した。


「さっきドラッグストアで買ってきたんです。これを貼ってから寝ましょ」


シートから透明シールをはがし、修矢の額に一枚。それから両方の脇の下に一枚ずつ、計三枚を貼っていく。


「はい、これでオッケーです。パウダールームまで歩けますか?」
「そんなに重病人じゃない」
「それじゃ、歯磨きだけはきちんとしましょうね。虫歯になったら痛いですよ」


立ち上がってトレーを手にしつつ、修矢に釘を刺す。昼間、千花をからかった反撃というわけでは決してないが。

すると修矢はつまらなそうに千花を軽く睨んだ。


「子供扱いするな」
「病人は大人も子供も一緒ですから。言うことは聞いてくださいね?」


そう言い置いて、千花は寝室をあとにした。

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