お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
◇◇◇
修矢は、遥か遠くの方から、かすかに悲鳴のようなものが聞こえた気がした。
片方ずつ瞼を開いていくと、そこには驚いたように目を見開く千花の姿がある。
今まさに飛び起きたばかり。自分の置かれた状況を前にして口に手をあて、なにか恐ろしいものでも見てしまったかのようだった。
「しゅ、修矢さん……! 私どうしてここに……?」
なにが起こっているのかまったくわからないのだろう。千花は目を白黒させて修矢に説明を求めていた。
「部屋に忍び込んできたのは千花の方だろう?」
そう言いながら起き上がると、修矢は昨日に比べて格段に身体が軽くなっていることに気づいた。これも千花の看病のおかげか。
「しし、忍び込んだだなんて! 私はただ、修矢さんの様子を見に来ただけで」
「夜這いなら、俺が本調子のときにしてくれ」
千花のあたふたした様子を見て、修矢は笑いたいのを必死にこらえて毒を吐く。