お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「だだだだから、そんなんじゃないんですっ」
おろおろしつつ、千花は両手で軽く拳を握って振った。そんなふうに慌てた千花がまた、かわいく思えて仕方がない。
修矢は今にも千花を抱きすくめそうになったが、寸でのところでなんとか耐えた。
「それじゃ、どんなつもりで?」
「心配したからに決まってるじゃないですか」
からかう修矢に、千花が頬を真っ赤にさせて猛烈に抗議する。そんな顔が修矢には逆効果だということを千花は知らないのだろう。
「そんなことを言うなら、もう修矢さんなんて知りませんっ」
プイと顔を背けて千花がベッドを下りようとすると、その手を修矢が無意識に掴む。それにより体勢を崩した千花は、修矢の胸に向かい合う格好で倒れ込んでしまった。
自分の胸にやわらかな千花の感触を覚えたときに初めて、修矢は千花を引き止めたことに気づいた。
「悪かった」
そう言うよりほかにない。修矢は千花を怒らせたことを素直に謝った。