お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
◇◇◇
「たまにはデートしませんか?」
千花から修矢を誘ったのは、ふたりでハートウエディングでの式の打ち合わせを終えた、ある日曜日のことだった。
婚姻届けを書いた朝から約一週間が経過していた。
見合いからここまで、毎日がハイスピード。思えば恋人らしいデートをしたこともない。
「デート?」
「そうです。そういえばしてないなーと思って」
修矢は一瞬戸惑ったような表情を浮かべたが、「そうだな」と軽く口角を上げた。
「どこか行きたいところは?」
修矢に聞かれて、千花が「えっ」と言葉に詰まる。特別そういった場所があるわけではなく、ふと〝デート〟を思いついただけだったのだ。
でも、そこで〝ありません〟と言ったら、せっかくその気になった修矢の気持ちが萎えてしまう。
千花は大急ぎで頭の中の情報をかき集める。