お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「五針も?」
痛々しい昔話を聞いて、千花の顔が悲しく歪む。
「そのときにドクターのあまりにも手際のいい処置を見てかっこいいと思ったのがきっかけ」
たしかに医者がかっこいいことに間違いはない。でも子供なら痛さで泣き叫び、そんなことを思う余裕はないだろう。なんとなく修矢らしい気がして千花はクスッと笑ってしまった。
「なにかおかしなことを言ったか?」
修矢が不機嫌そうに千花を見下ろす。
「ごめんなさい。修矢さんらしいなと思って」
正直に答える。
子供の頃からそんなに冷静だったのかと想像しておかしくなる。取り乱した修矢は想像できない。
「俺らしいってなんだ」
「大ケガをしてもクールだから」
クスクス笑う千花を修矢がおもしろくなさそうに睨む。