お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「悪かったな、クールで」
修矢は憮然としながら筑前煮のしいたけを口に入れた。
「でも、子供が好きなんですね。さっき、患者の男の子にものすごく優しく接していたのを見ました」
いつも見せる無愛想で素っ気ない態度はどこかに雲隠れ。まるでそんな姿はかりそめ。今まで千花が幻を見ていたんじゃないかと思うほどだった。
きっと修矢は優しい人なのだろう。ただそれを表現するのが下手なだけ。
「子供嫌いじゃ小児科医は務まらない」
「そうですよね。でも修矢さん、あんな笑顔するんだーって見入っちゃいました」
「……盗み見とは悪趣味だな」
「またそうやって意地悪なことを言って」
千花がクスクスと笑う。
子供に優しく接するところを見たあとでは、その毒舌は逆効果。照れ隠しにしか思えない。
修矢はまんざらでもないように口角をほんの少しだけ上げた。
(いつか私にも、あんな笑顔を向けてくれるといいんだけどな……)