お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
修矢同様に背がすらりと高く、手足が長い。丸く穏やかではあるが、意思の強そうな目に通った鼻筋。全体的に柔和な印象のある整った顔立ちは、父親の血を受け継いでいるのだろう。
切れ長でシャープな顔立ちの修矢は母親似だから、兄弟でそれぞれ分け合ったようだ。
「は、初めまして。渡瀬千花です」
腰を折り曲げて千花が挨拶をする。やはり家族を前にすると緊張してしまう。千花は頭を戻してから、修矢の斜め後ろに遠慮がちに立った。
「修矢、これはいったいどういうことなのか説明してもらおうか」
一樹の口から出た第一声に千花は目を丸くした。
(どういうことって……?)
どことなく不穏な空気が部屋に立ち込めた気がした。理解に苦しむことを口走った一樹を千花は瞬きを激しくさせて見つめる。
「俺が海外に行っている隙に――」
「兄貴、ちょっとこっち」
一樹の言葉を遮るようにして慌てて腕を掴んだかと思えば、修矢は千花が使っている隣の部屋へ連れ込んだ。
海外に行っている隙に、なんだというのだろう。
訳がわからないまま、千花はふたりが消えた部屋のドアを見つめるしかなかった。