お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

◇◇◇

ドアを閉めたところで、修矢は一樹の腕を解放した。


「それで? これはどういうことなのかな、修矢くん」


言い方こそふざけているが、胸の前で腕を組み仁王立ちする一樹の目は笑っていなかった。


「……悪かった」
「まさか修矢がこんなことをねぇ。ってか、父さんも父さんだな。俺に最初に話を振っておいて」


実は、千花と見合いをするのは修矢ではなく、一樹の予定だったのだ。

特定の恋人を作らずにいた一樹も最初のうちは『結婚はまだしない』と拒絶していたが、様子を見に行ったわたせキッチンで千花を気に入り、見合いを承諾。

ところが、そのすぐあとに仕事で海外へ行かなければならなくなってしまい、ひとまず見合いを先延ばしにしようということになったはずだった。

一樹の見合い相手が千花だと知った修矢は両親に取り入り、一樹が海外へ旅立ったのを見計らって自分が千花の相手として見合いに臨んだというのが、事の顛末だった。

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