お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

◇◇◇

結婚式のあと簡単なパーティーを終えたふたりは、会場となったホテルの部屋へやってきた。千花にとって、人生初のスイートルームだ。

何面も連なった床から天井まで広がる大きな窓は、東京の大パノラマを見下ろし、広々としたマスターベッドルームにはスタイリッシュな天蓋つきのベッド。目に入るものすべてが、品格の漂う洗練されたインテリアだった。

(……すごい。こんなに素敵な部屋だったら眠るのがもったいなくて、明日の朝まで眠れないかも)

心の中では興奮していた千花だったが、修矢があまりにも落ち着き払っているので、はしゃがないように堪えた。

荷物をソファに置き、「修矢さん」と顔を上げる。


「ふつつかものですが、どうぞよろしくお願いします」


両手を前で揃え、千花は丁寧に頭を下げた。

今日から始まるふたりの人生を大切に生きていきたい。

修矢の顔にやわらかい笑みが浮かぶ。それは今までになく優しい笑顔だった。

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