お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「……みたいだな」
困ったような笑みを浮かべ、修矢がベッドから起きる。病院からの着信かもしれず、放ってはおけないのだろう。
修矢は脱ぎ捨ててあったバスローブを素肌に羽織り、ベッドルームから出て行った。
ゆっくりと身体を起こした千花は、自分の身体のあらゆるところに残された赤い痕に気づきカーッと顔を赤らめる。改めて昨夜のことを思い返して恥ずかしくなり、修矢と同じようにバスローブで急いで隠した。
しばらくしてベッドルームに戻ってきた修矢は、スーツに着替え身支度を整えた状態だった。
(やっぱり病院からの呼び出しだったのかな)
千花は即座に嫌な予感を抱く。
「千花、悪い。病院へ行ってくる」
やはりそうだったようだ。
結婚式の翌日。今日くらいはふたりきりでゆっくり過ごせると思っていた千花は、つい顔を曇らせてしまった。
急きょ決まった挙式のため、新婚旅行は後回し。ふたりの生活が落ち着いたら行こうと決めており、修矢は明日から通常通りに仕事へ行くことになっていた。
結婚式の余韻に浸っていられるのは、今日一日だけ。それができなくなってしまった。