お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「それじゃ、信じられるようなキスをしてください」
ほかに誰も入り込めないような、なにも考えられなくなるような熱いキスを。
修矢ははにかむように笑うと、その目に熱を込めた。
「キスの前にひとつだけ」
修矢がゆっくりと一度瞬きをする。返事の代わりに、千花も瞬きで返した。
「婚姻届はふたりで今日出しに行こう。せっかくだから千花の誕生日にふたりで届けを出したいと思っていたんだ」
「……私の誕生日に? どうして?」
二十七回目の千花の誕生日は今日、一月二十三日。
「ワンツースリーの並びがふたりのスタートにぴったりだって前から考えてた」
「私たちのスタート……」
「俺たちの始まりは幸先いいスタートで切りたい」
修矢はこれまでになく優しいとびきりの笑顔を浮かべた。
助走であまりにも速く走りすぎて、気持ちはあと追いだった。
そのスタートラインに、やっとふたりが立つ。
「二十七歳の誕生日おめでとう。千花、結婚からはじめよう」
見合いから今日までの序章。
そして、今日から始まるふたりの本編。そこにはきっと、最高に素敵な未来が待っている。
目を閉じた千花に修矢は口づけた。