お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「そんなことはないです。大丈夫ですよ」
首を横に振ってから千花が答える。ところがそうしたそばから、千花は胃のむかつきを覚え、その場で起き上がった。
「どうしたんだ」
修矢も驚いて身体を起こす。
「……あ、いえ、なんでもないです」
もよおした吐き気をなんとかやり過ごし、薄明りの中、修矢に微笑み返す。
「修矢さんがこんなに素敵なところに連れて来てくれたんですから、疲れるなんてことはありませんから」
自分の誕生日と入籍が重なったうえ、最高のプレゼントまでされるとは千花も思っていなかった。昨日の同じ時刻には、この世の終わりのような気持ちでいたのだから。
「新婚旅行もまだで悪いな」
「修矢さんが忙しいのはわかっていますから」
「今回のことも、本当にごめん」
「もう、さっきから謝ってばっかり。修矢さんらしくないですよっ」